「深更(しんこう)の歌」

(朗読ファイル)

深更(しんこう)の歌

置き去りの案山子も染まる腕先に
  触れるものなくなみだ一粒

噛みつけば痛かりし日の指先の
  こころなだめてなに紛らかす

軋みして歯車ぽろりと落ちました
  こわれたままのこころ更けゆく

夢に見た幸せ鳥のことばかり
  さえずることすら出来ないあなたに?

こんぺいとうのしあわせ一粒くださいな
  祈るこころも夕べくだける

明日を待つそれぞれいのちそれぞれを
  測りもせずに夜は更けゆく

ノートには思いの丈を託します
  明日を夢みて生きるそのために……

         2008/6/18

2011/10/14

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