ベートーヴェン 交響曲第1番 第4楽章

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交響曲第1番4楽章

Adagio-Allegro molto e vivace.
C dur,2/4拍子

導入(1-6フェルマータ)

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 Adagioで(C dur)の属音が鳴らされると、(g)の音から次第に音階上行パッセージが生み出されてAllegroの提示部に入る。

提示部(6-96)

第1主題提示部分(6-55)C dur

<<<確認のためだけの下手なmp3>>>
・ここで快活な音階上行が(g)のオクターヴに到達して、それに答えて(g-e-c)と主和音構成音の3度跳躍で下降して開始される第1主題A(8-14)に、応答楽節(15-22)が2回繰り返されてカデンツを踏み第1主題部分の提示を終えるが、素材として使用されている音階上行パッセージは冒頭に提示された素材から来ている。転がる音階上行型が重要素材になっていることもあって、非常にモーツァルトなどの交響曲を思わせるが、個人的には特に応答楽節の音階上行6音はジュピター交響曲が浮かんでならない。
・続く第2主題への推移では今度は音階下降パッセージを使用しながら進行し、第2主題直前で再度特徴ある上行型を総奏で提示する。

第2主題提示部分(56-78)(G dur)

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・管楽器は色彩的補強として使用され弦楽器の進行だけで事足りた第2主題B(56-59)が旋律的色彩的変奏を加えて合計3回提示されると、和声的部分に移行するという基本的なやり方でフォルテッシモに到達。

提示部終止部分(79-96)

・スフォルツァンドによるシンコペーション和音の特徴的なリズムの内に終止部分が開始し、やがて例の音階上行パッセージがヴァイオリンに登場すると提示部を締めくくるが、繰り返しの場合は上行パッセージから続けて第1主題に移行。

展開部(97-162)

 音階上行パッセージと和音によるストップ効果を織り交ぜながら(d moll)を経過し(B dur)に入るとフォルテッシモで4分音符の分散和音下降型による調性安定度の高い部分に到達。再度音階上行パッセージによる楽曲を再出発させ、下降型も織り交ぜながら進行、140小節からは提示部の第2主題への推移で見られた音型を投入させ、その後第2主題ではなく再度音階上行パッセージが何度も繰り返されクライマックスを形成すると、第1主題の再現に帰っていく。この間重要な音階パッセージはもっぱら弦楽器によって事足りている。

再現部(163-237)

 第1主題後の推移が短縮され転調密度が上がっているが、さらに第2主題が主調のまま登場する代わりに(F dur)で開始され、途中から(C dur)に転調する。その後は提示部と同様に進行。

コーダ(238-304)

 フェルマータの後で序奏チックに音階上行パッセージだけが楽器を異にして何度も提示されると第1主題部分全体がすっぽりと再現され、266小節から和音部分と音階上行パッセージを交えつつ大いに音量たくましゅうして楽曲を終えてみた。



2005/03/17
2005/03/21改訂

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