ベートーヴェン 交響曲第1番 概説

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概説

・1792年にウィーンに到着していらい、300人以上のピアニストが婦女子に教育しながら演奏会で華やぐ町で、ピアノ演奏のヴィルトゥオーソとして活躍し、一方で作曲の勉強を重ねるベートーヴェンは、ハイドン先生に、葛藤を交えつつ師事し対位法をアルブレヒツベルガーに学びながら、ヴィルトゥオーソの世界から芸術家へと変容を遂げていった。1795年についに作品1の3つのピアノ3重奏曲を出版して大成功を納めると、それを批判したハイドンと精神的決別を果たし己の道を歩みつつ、ピアノソナータだのピアノコンチェルトだの弦楽4重奏だの立て続けに作曲して、1800年ついにハイドンやモーツァルトの偉大なジャンルに立ち向かうべく交響曲第1番を完成させた。書法にも先人たちの遺産が目に付くが、関わらずこの第1番は交響曲の先例に対して劇的で、情感をかき立てる熱気とある種のドラマ性が漲っている。

作曲時期と成立過程

・1799年頃から、特に1800年初めに集中して作曲されたか4月2日にウィーンのブルク劇場でベートーヴェン自ら指揮をして初演。第4楽章の主題に類似した書き込み以外、作曲過程を知るためのスケッチが残されていないうえに、自筆総譜原稿も無くなってしまったので、成立過程は不明瞭である。熱にうなされるように完成してしまったのかもしれない。
・楽器ごとに分かれた楽譜としては1801年に出版されたが、総譜の出版は1822年にボンのジムロック社から。

楽器編成

・フルート2,オーボエ2,クラリネット1,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニ,弦5部
・第3に較べてフルートとホルンが1本少なく、楽器編成としてはベートーヴェン交響曲中最も少ない編成。

演奏時間

カラヤン指揮ベルリン・フィル1961演奏の時間
  第1楽章-9:30
  第2楽章-5:50
  第3楽章-3:56
  第4楽章-5:41

古楽演奏のガーディナー版の時間(すべて繰り返し有り)CD作成が1994年
  第1楽章-8:21
  第2楽章-6:32
  第3楽章-4:04
  第4楽章-5:26

2005/3/14

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