ベートーヴェン 交響曲第8番 第3楽章

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第3楽章

Tempo di Menuetto
F dur、3/4

概説

・メヌエットートリオーメヌエット繰り返しからなる複合三部形式。

メヌエット(1-44)

主題提示部分(1-10)F dur

<<<確認のためだけの下手なmp3>>>
・始めに和音構成音2音による上下運動の楽曲の伴奏形が弦楽器とファゴットで2小節提示され、2小節目の最後からヴァイオリンによるメヌエット主題M(3-6)が開始するのだが、それより1小節早くトランペットとティンパニーが主題冒頭の特徴的な上行型を演奏しまるでカノンが開始するかのような効果を擬似的に出している。続くメヌエット主題Mは大きく上の(C)音からなだらかに下降して最後に上行に転じ1オクターヴ下の(C)音に到達する旋律で形作られ、続いてもう一度繰り返されると、2回目の最後では先ほどの1オクターヴ下の(C)音よりもさらに5度下の(F)で主題提示部分を終える。

主題提示部分繰り返し

・この主題提示部分がリピートによって繰り返されると、属調による中間推移に移行する。

属調推移部分(11-24)C dur

・属調である(C dur)に入ると、メヌエット主題Mの開始部分の動機(A-C-B-G-E)を繰り返しながら推移、ほとんどその動機だけを使用しながら(B dur)に転調すると、やがてただの管と弦による和音交代がピアニッシモで奏され、メヌエット主題Mが再現する。

メヌエット主題M再現部分(25-44)B dur→F dur

・(B dur)のままファゴットが主題Mを再現すると、2小節遅れて(F dur)に転調し同時に主題Mの再現にヴァイオリンが加わり声部を増し、主題最後の部分ではフルートまでもが主題Mに途中参加する。さらにその間に主題冒頭の2音による特徴的な上行型が提示されるなど発展しているが、その代わり再度の繰り返しは無しで、ただちに盛り上がるような終結句に到達する。
・その後属調推移部分で使用された主題開始動機がホルンとトランペットのフォルティッシモで単独的に提示されると、弦が短くそれに答える交替による終止部分に入って曲を終える。

属調推移ー主題M再現の完全繰り返し

・この(11-44)がもう一度繰り返されてメヌエットを終える。

トリオ(45-78)

トリオ主題T提示(45-52)F dur

<<<確認のためだけの下手なmp3>>>
・ホルンが主題前半4小節を奏でると、後半4小節ではクラリネットが主旋律を修飾させた形で登場して、ホルンはそれに対する副旋律として2重奏を奏でるという、8小節の主題。伴奏の弦楽器はチェロとコントラバスだけであり、ホルンとクラリネットの掛け合いの美しさはロマン派の楽曲に紛れ込んだかのようだ。最後の2小節で(C dur)に転調する。

トリオ主題T繰り返し

・繰り返し記号でもう一度繰り返すと、属調の中間推移に移行する。

属調中間推移(52-60)C dur→c moll→As dur

・主題Tの初めの2小節だけを連続的に提示して弦楽器によって中間部推移が形成される。

トリオ主題T再現(61-78)F dur

・主題が変奏発展されて、クラリネットとホルンの2重奏で進行してトリオを終えるが、ここでは新たにファゴットがベースラインに加わり彩りを添えている。

メヌエット繰り返し

・もう一度メヌエット部分を全部繰り返して3楽章を終了。

2004/10/8
2004/10/17改訂

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