ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 ハ長調

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概説

・ヴァルトシュタイン伯爵の紹介状を握りしめて1792年11月にウィーンに定住(引っ越し魔の彼に定住は不適当だが)したベートーヴェンは、ハイドンの元での学習を許され、数多くの貴族達と知り合いながらピアニストとしての栄光を掴(つか)んでいったが、すでにボンにいた頃から今日のピアノコンチェルト第2番の原型が作曲されていた。ベートーヴェンはヴィーンに来ると演奏会場を駆けめぐりながら、2回以上書き直しを加えて第2番協奏曲を1801年に作品19として出版したが、その同じ年に出版され、第2番より早い番号が付けられたのが第1番のピアノコンチェルトだ。したがって、作曲開始は第2番より後で、恐らく1798年の夏頃には出来上がっていたとされる。そしてこれら2つの協奏曲が出版されるより前、1800年には、すでに第3番協奏曲(op37)ハ短調が(おそらく)完成していたのだった。(ただし初演は1803年だが。)1800年と云えば、ついに交響曲第1番(op21)(作品番号から「ジョスカン交響曲」と呼ばれることもあって欲しい)が作曲され、作品18の6つの弦楽4重奏が完成した年であり、ピアノソナータもすでに11番まで作曲が行なわれていた。

楽器編成

・ピアノ、フルート1,オーボエ2,クラリネット2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニ1対,弦5部

演奏時間

グレン・グールド演奏、ウラディーミル・ゴルシュマン指揮コロンビア交響楽団(1958)の演奏は、グールド自らカデンツを作曲し(即興ではなく)そのカデンツは楽譜として販売もされている。ゴルシュマンの指揮も好演でカデンツは一度聞き慣れるとベートーヴェンオリジナルカデンツが物足りなくて聞けなくなるほどすばらしい。非同時代的でありながら楽曲構造にとけ込んだかのようなカデンツが魅力的な一瞬を形成して、到達するのが待ち遠しくなってくるから不思議だ。と云うわけで、私には他の演奏は考えられないので、そのCDから演奏時間を参考のために上げておこう。
第1楽章(12:51)
第2楽章(12:10)
第3楽章(9:05)

2005/09/06
2005/09/14改訂

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