「第1章 調設定の原理」 覚書

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名付け親

固有和音調

・ある調の「各音度の固有和音」をそれぞれⅠとして持つ調を、その調の固有和音調という。そのうちⅠ調以外のものを、この本では近親調と定義する。

準固有和音調

・ある長調の、「同主短調の固有和音調」を、その長調の準固有和音調という。
・そのうち準固有Ⅰ調以外を、準副次調という。

同主長調・副次同主長調

・ある長調または短調の「副次短調の同主長調」を、(副次)同主長調という。プラスで表わす。
・短調の各同主長調3個を合わせて、固有和音同主長調という。

主調と内部調

・内部調に所属する和音を内部調の所属和音という、ああそうですかい。所属和音から見たその内部調は、所属調になる。ああこりゃこりゃ。内部調の所属和音をまとめて、内属和音という。おまけに内部調を表わす()の左上に付ける記号は、内属記号である。

調設定

・この本では、さかのぼれるだけ遡って、後続調に含めてしまう。ついでに、その内部調の強度に応じて、確定度という言葉も考えてみた。

転調進行についての一般的な原則

・特に同主調への転調の時に注意する。
①カデンツがくずれないこと。
②転入和音が
→短調から+Ⅰ調では、Ⅰ(2転も可能)の和音
③副次同主長調へは、いったん副次短調に転調し、その同主長調に転調する。
④副次・準副次・同主調・副次同主長調以外の転調は。
→転入和音として、もっぱらⅤ系の和音を使用する。

定調的転調進行→前の所属調とも見なしうる和音で転調 半音階的転調進行→転調進行が半音階的進行を含む場合

補足

・大規模楽曲では、1個の内部調が膨大になり、2次主調となることがある。その内部調は、2次内部調である。

・組み形式の楽曲では、各楽章の主調の他に、曲全体の主調が存在するが、これを大主調と命名してやるからありがたく思え。

異度等高関係

・音高が同じなくせに、見た目の異なる奴らを異度等高関係という。それが和音だったら、異度等和音(これは高が抜ける)で、調性で言えば、異度等高調だ。分ったか。こいつは、臨時記号を減らすために書き換える遣り方がある。調関係や、和音関係は、戻してやるのだ。

等響異和音

・異度等高関係に移し替えたら、和音の意味が変ってしまったものが等響異和音だ。異なる和音なのだ。2転が、3転に変るだけでも、十分に等響異和音だ。全く同じ和音の性質が同じなら、異度等和音だ。そんな定義、使うことがあるのか。
・当然、等響異和音によって記譜を簡単に表示することもある。異度等高調書き換えとの違いは、和音の意味が異なるだけだ。(涙)

一般的に異名同音的エンハーモニックと呼ばれている転調も ・しょせん転入和音を「記譜上、より簡潔に表示しうる」先行調の等響異和音に書き換えただけだ。普通の転調と区別する必要性は、まったくもってないのだ!!!

2004/8/31

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