2017年05月一覧

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あの頃の面影

あの頃の面影 はしゃいでた   あの日の夢も 木造の     きしみわたしと 消えてゆくなら 放課後の    中庭いちょう 夕まぐれ  手を振るわたし たれに手を振る 水道の   蛇口のむこう のぞき込む     はしゃぎつかれた 別のわたしが 僕の手に   忘れものした 見せしめは     マジックみたいな 宿題の文字 かわになを ………

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ほろんほろほろ

あるいは推敲について  2016年初め頃か、意味もなく、    写実でもなく、ふと浮かんだ句といえば。 ほろんほろ/\    おぼろ月夜の かたり唄  これを推敲しようとして、思い悩むには、 ほろんほろ/\    つき夜おぼろかゝたり唄 ほろんほろ/\   かたりおぼろの月夜かな  翌日、着想がこなれて生まれるには、 ほろん………

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ある夏の日の思い出

ある夏の日の思い出  日頃のニュースには戦争の惨事を伝えるとき、かつての面影と混じり合い、つかの間の幻想は、いくつかの落書きへと化すだろう。 砕け散る   夢のことさえ 燃え尽きて  廃墟と化した 街は夕闇 雨音は   おとぎ話の お人形  つんざくように よぎる銃声 姉の手を   握りしめては 階段に     うずくまります 真っ赤な人形 ………