鶏小屋の真実

鶏小屋の真実

あるいはまた攻撃的な

 鶏小屋の真実を真実と見なす鶏しか居なくなったとき、鶏小屋の真実が真実となって、小屋など存在しない、鶏の真実は穢されて、いびつなにせものと罵られ、消されゆくものには違いありません。それでもなお、悪あがきする鳥の一羽くらい、暴れ回るのが詩なのかも知れませんね。

わたしではなくあなた

その人の言葉だけが
  真実のように思われて
 ただ、その人の落書きだけが
   もう一人の自分だって思えたんだ

でもその人にとって
  わたしはイミテーションの一つには過ぎなくて
 その人のメッセージはすべて
   自分への代弁には過ぎなかったから

わたしはその人にとって
  造り上げられたなぐさめにすぎなくって
 彼女は造り上げた人形に助けを求めるようにして
   わたしをもてあそんでいたに過ぎなかったんだ

だけどそれはお互いさま
  わたしもまたあなたを代理人形にしたのかも知れなくて
 結局はどちらもおなじサイコロをもてあそんで
   その咎を同じくらいに背負っては

自らのなぐさめの鏡映して
  結果として傷つき逢っていたのかも知れないから……

それでもわたしはあなたのことを
   世界中でたった一人くらいの
 最初で最後の見方くらいに信じては
     はしゃいだことさえあったのだけれど

そうしてあなたもわたしのことを
   世界中でたった一人くらいの
 最初で最後の見方くらいに感じては
     震えたことさえあったのだけれど

あまつさえそれは妄想で
  はた迷惑な空想物語には過ぎなくて
    はなから二人は別々の
  形而上第五世界の住人で

走る夜汽車の夢から覚めたら
  星屑の流れて白んだありあけの
    むなしいくらいの夜明けです。

いたたまれなくて泪です
  そうしてそれを眺めては喝采する

よだれを垂れ流すピエロどもの
  それは結ばれ得ない二人にとって

あなたがたはつまりはわたしたちの
  永遠の敵には過ぎないものでした

それは生まれたときから私たちを
  苦しませてひなびさせた張本人

彼らが不気味でわたしたちは
  生きているのが恐ろしいくらいにすがりながら

それでもいのちを閉ざすことは恐ろしくて
  寄り添えない互いにこころの鏡像を映しては

なぐさめながら明日にすがるような
  そんななみだを糧にしては追い求める

情緒をもてあそんだ者どもよ
  わたしたちを嘲笑する者どもよ

もてあそばれる者が見にくいのではなく
  それを眺めてはもてあそぶあなたの精神こそ

生きとし生けるものあらゆるもののうち
  もっとも醜く下品でグロテスクなもの
 現代を結晶化させた不気味です

そうしてわたしの言葉は
  つまりはあなたのその精神だけを
 暴露したものには過ぎなかったはずなのに

それさえ気づきもしないで
  またよだれを垂れ流しては情緒的快楽を

嗅ぎ回るあなたのすべてが不気味です
  もはや人でなしした符号です

それは決してわたしの符号ではなく
  あなたこそ符号のうちの符号です
    あなたこそ此の世から滅べばどれほどの

地球の浄化作用になるだろうか
  そんなロマンティズムみたいな時代錯誤の
    わたしのたったひとつの望みです

つまりは悟れない者どもよ
  わたしはそれを述べたかっただけのことなのですから。