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大和物語の朗読 その二

朗読 あらすじ 十一  今は亡き源清蔭が、藤原忠房(ふじわらのただふさ)(?-929)の娘のもとに通っていたのを、醍醐天皇の皇女に心変わりしてからも、娘との間には子供もあり、語らいは絶えず、おなじところに住んでいた。あるとき「住吉の松でもないけれど久しく間が空いてしまいました」と源清蔭が和歌を贈ると、「そんな長い時間でもないのに、住吉の松は(別の人を待つの松に)生え替わってし………

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ふるさとの街なみへ

ふるさとの街なみへ  思い返せばふるさとは、ひとかげさえも消え失せて、ただ懐かしい風景に、セピアをかざしていのるでしょう。それなのにわずかな現実に触れたなら、なんだか知れないとがった痛みに、刺されるような夕暮れに、わたしは春をいのるでしょう。くだらないプロフィールはいつしか消され、あの頃は未来へと溶けるでしょう。あなたはいつしかそれを眺めて、わたしの知らないその街を、ただ豊かにほほえんで、け………

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つかの間の四行詩

不思議なことに  見出しを付けるという行為が、酔いどれの落書きに、このような無意味な散文をも、加えることにもなることは、どれほど人というものの正体が、ある種のパターン化された行為に、規律されているかの正体であると共に、個性の範囲の狭さを、露呈しているようにも思えるのですけれども……  今さら、そんなことはどうでもよいことです。    時々走らせる落書きさえも、      近頃は………

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調和の霊感

いにしへの響 spring piano    響きあわせが奏でかな spring piano    響きあわせてかなで唄  わたしはだらけていたのでしょう。    あるいは寝ぼけていたのでしょう。      それともみじめな終末の、    乏しき楽才を悟りして、  いじけていたのが真実か…… ひさしぶりの調理  そんな訳でして、   ある………

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雪降る夜に見た夢は

雪降る夜に見た夢は 雪降る夜はわたくしの   たましいさえも清らかな     すてきなものに思われて     凍えた窓のベランダで       真白な息をけむりのように   それから手すりの      雪を丸めた冷たさに        わざと驚いて見せながら あちらの屋根に放ったら   どさりと落ちてずるずると     なだのようなゆかいです ………

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無題

僕たちの   朝日を浴びて 背を伸ばし  絡まるうちに へちまあごして きみの背の   まだ上にある つた絡め  伸びゆく草を いつか追い越せ 溶けのこる   屋根は真白に 日をさして  小鳥ら歌う おはようの声 校舎時計   さくら吹雪か わかれ歌 星は尽きて   ゆうべあかりもなかりけり     [狂句] たまねぎで  ………

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同一精神上のアリア

同一精神上のアリア 弱り切ったその人は   酒を飲ませてももう駄目で  意気消沈を友として    怠惰を抱えて揺らいでた 風前の灯火なのだと   ちょっと笑った笑顔には  やつれたような能面の    いつわりの表情が浮かんでいた ただ歳月に流されて   朽ちゆく枯葉を待つような  その精神は干からびた    がさがさとしたけがれして 遠くみずみ………

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祖父の身まかりたるに詠める

2015年師走 2015年12月25日    祖父の亡くなりたる夜も更けて  日の移り変はりたるによめる ますらをの黄泉路も歳の果ならむ 撃たれし友がもとへかきみが魂 わかれては    けがれなくして なきがらの  天(あま)へと馳せる きみがみたまは あるじなくて    師走にひらく さつきかな 汝と吾   時瀬の波に 酔ふ酒は………

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2016年元旦

2016年1月1日  あらたまる年も年ごとに人のかりそめの尺度に過ぎないことばかりが味気なく思われるこの頃には、よろこびも薄れゆく気配ではありますが、人を捨て去れないわたくしもまた、人の世の習いに従うものとして、年明けを祝うのもまた、おもしろかろうとは思うのですけれども…… 静けさに   映える街なみ 陽浴びして     羽ばたく鳥よ としあけの空 あいさつも………