雪の中

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雪の中

真っ白な雪の中を
前も見えないまま
また一歩踏み出す
でもその足跡は
いつまでも降り積もる
沢山の雪に消されて
もう振り返っても
どこにも見付からない

変わらない雪の中を
何も見えないまま
また一歩踏み出す
たとえその足跡が
もう辿れなくても
昨日よりはきっと
新しい場所に居る
そう信じていたから
ここまで歩いて来た

まだ雪は続いて
何も見付からない
急に寒さを覚え
不意に立ち止まる
本当は同じ場所
何も変わらない
始まりも終りも
前も後ろもなく
どんなに足を前に
踏み出してもきっと
何も変わらない

気付くのが恐くて
そこに居るのが恐くて
慌てて足を踏み出す
そこを前だと信じて
進むしかないのだから
終りのない道を
何も変わらない道を
気付かない振りをして
また一歩踏み出す

立ち止まっては駄目だ
考えなくていいこと
立ち止まっては駄目だ
気付かなくていいこと
立ち尽くさずにまた
真っ白な雪の中に
足を踏み入れる
やがて倒れる
その時まで

作成時2001/10/19

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