わからないこと

もしかしたら後ほんの少しで
もう消えていなくなって
いつかは必ずそうなって
もうどこにも存在しない
その時にはもう何一つ
自分がいた事実さえも
どこにも存在しない
初めからそんなものは
いなかったのと同じこと
すべてがなんの意味もなく
消えてなくなってしまう

なぜそんな簡単な事実を
子供にでも分かりそうな事実を
なぜ本当に理解する事もなく
心の中に入り込む事もなく
ただ頭の上を滑っていくだけ
平気な顔をしながらの毎日
生きていけるのだろう

なぜ代わりにそんな馬鹿げた
下らないどうでも良いような
間の抜けた悩みを大事そうに
本当はそんなもの悩みにすら
なる筈もない下らないもので
平然と苦しむ事が出来るのか

僕には何も分からない
その人達の悩みが分からない
なぜそんな事で悩めるのか
なぜもっと本質的なこと
悩まないでいられるのか
苦しまないでいられるのか
なぜろくに考えもしないで
自分たちの悩み以上のもの
認めずにあざ笑いながら
そんな取るに足りな事で
大げさに苦しめるのか

僕には何も分からない
ただ何もかもすべてが
そんな事を悩みながら
それ以上考えもしない
そんな人々がいる事が
たまらなく恐い