梅雨のすきま

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梅雨のすきま

ずっとこうしてぼんやり
明日なんて欲しくない
そんな思いも朝が来れば
遠いむかしのおとぎ話

だから明日なんて別に
いらないからぼんやりと
何も浮かばない今だけが
いつまでも欲しいだけ

おとぎ話もいつか終わり
思いでもいつか消えれば
何もなかったことになる
先になんて行きたくない

始めから居なければ
こんな考えも浮かばずに
馬鹿らしい感情なんて
持たずに居られたのに

ただ自分がある為に
自分を否定できない
ただ生きる為にそう
仕組まれているから
それを理性で敗れない
自分は情けないもの

そう思っても本当は
心の中の小さな思い
明日も日の光を肌で
感じたくて堪らない

もう眠らないとまた遅刻
現実の事で頭一杯
そうやって過ぎて行くのが
本当はたった一つの幸せ

お休みなさい
梅雨の合い間の
静かな月の明かり
どうか明日もまだ
雲がありませんように

作成時2001/12/12

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