いつもと同じこの窓
何も変わらない部屋
少しずつ暗くなる空を
ぼんやりと眺めている
屋根には一匹の猫
いつの間に登ったのか
屋根の縁まで来て
ずっと下を眺めている
夕暮れの空気の中
まるで影絵のように
いつまでもそこを動かず
ずっと下を眺めている
その姿がとても寂しく
そこから飛び降りて
消えてしまいそうな
消えてしまいたそうな
そう見えるのはきっと
本当はぼくの心
ただ自分の心が映って
見えているだけのこと
やがていつかその猫
そこを離れるその時まで
暮れてゆく窓の外
静かに眺めている
P.S.
夕焼けが見たかったのに
そのまま白く暗くなって
何か味気ない
とある夕暮れ時
作成時2001/09/17