祭りの夜

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祭りの夜

遠くに祭りの明かりが見えて
笛と太鼓に人々の声が響く中
夕暮れの澄んだ空に雲を浮かべて
少しずつ濃くなっていく町の色
一人急ぐ帰り道は街灯の下を
祭りに向かう人影いつまでも
楽しそうな浴衣姿の笑い声
いくつもいくつも通り過ぎて
日の暮れて少し涼しい大気
さわやかな風が吹き抜けていく
遠くで祭りの音がする

祭りの夜

着物の藍が夕暮れに染み出す頃
祭囃子は大弓に絞られて
遠く帰り道の足音を射抜く
顔を見上げれば蛍の笑顔
キリギリスの鳴く笑い声達が
歩きを忘れた僕の前を楽しそうに
祭りの池に泳いで行きます
内輪舞う浴衣の野原ももう夏
無くした花片の色は祭りの明かり
ぱっと開いて人ごみの川に消える
見上げれば空には食べかけの月

僕には分からない
祭りの風が遠く空のキャンパスを
内輪舞う浴衣の野原ももう夏
着物の藍が夕暮れに染み出す頃
何のことだかさっぱり分からない
もう少し考えればその分だけ
何が良くなると言うのだろう
食べかけの月には自分でも
大笑いはしたけれど
あんまりにも恥知らず
詰め込むだけ詰め込んで
もうご馳走さまです
少し自笑してみただけ
では今度は程よく混ぜて
もう一度書いてみますか

僕には分からない
最初に書いた
一筆書きの中にしか
自分の思いが
見付からないで
これ以外には何も
言う事なんてない

祭りの明かり遠くに見えて
夕暮れの澄んだ青い空
少しずつ濃くなっていく
帰り道、祭りに向かう人影が
楽しそうに通り過ぎて
日の暮れて少し涼しい大気
さわやかな風が吹き抜ける
遠くで祭りの音がする

PS.
文章を何度も書き直し
詩の語と字数を合わせ
完成された作品にする
僕には堪らなく馬鹿らしく
このつい書き流してしまった
無駄な文章すら消すよりは
そのままのほうがきっと
そのとき伝えたいと思った
そのままの思いが何か
込められているような気が
少なくとも詩に意味があるのなら
ただその事においてだけだろうと
僕は思っている

作成時2002/1/20

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