茶番劇

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茶番劇

アルコールに酔わせて
布団の中にうずくまる
早く眠らなければと
どんなに考えても
頭の中くだらない思い
布団に潜ったまま
ぐるぐると廻って
そんなに懸命になって
眠る必要がどこにもない
たまらなく不愉快で
起き上がるのも面倒で
ただただ遣り切れない
何をする気もないまま
眠りにすらつけない
考えだけが馬鹿みたいに
同じ所を廻っている
とうとう一人で呆れ笑い
下らない馬鹿げた
一人きりの茶番劇

助けてと百回唱えても
答えは返ってこない
みんな消えろと叫んでも
何もなくならない
昔に帰らせて欲しい
答えの代わりに大きな
笑い声が聞こえる
結局自分が消えるのが
一番確かな答えだから
それさえ越えられるなら
苦労はないのだけれど
なぜそれほどに生きる意味
大切なのかと問い掛けて
可笑しいくらいに自分の
命の行方が気掛かりで
どうせいつかは同じ所
消えれば今も遠い先も
等しい価値なのだとは
どうしても思えずに
明日などこなくていい
たまらなく面倒なだけ
それでもやはり心の中
まだ生きていたいと
必死になって叫んでいる

たった一つの真実
こんな言葉はみんな嘘
本当はたった一言
心の中が寂しいから
たった一つの思い
暖かくなりたい
そんな下らない望みが
心の中に強く残って
明日も生きていたいと
きっとそう思っている
もし願いが叶うのならば
こんな考えはたった一つも
残らないうちに消えてしまう
本当はただそれだけの
下らない馬鹿げた
一人きりの茶番劇

作成時2002/2/25

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