無題

信じている人だけが
何かを作り出せる
実用のものであれ
芸術作品だとしても
必要だと思い込める
役立つと信じている
感動させるはずだって
もしかしたらでもいい
心の中に浮かぶのならば
大丈夫きっと何とかなる
何の意味もないからっぽも
心が認めさえするならば
大丈夫きっと何とかなる
だって本当のことを知ったら
どんなに沢山の思いが
心の中を駆け巡っても
もうきっと形にはならない
恐ろしさに叫び声を上げる
そんな直接の行為すら
出来はしないはずだから

詩人は馬鹿で
小説家はおめでたく
音楽家は夢想家で
数学者は有閑人
そんなどうでもいい
真実を知らない人々
気にも留めない人々
そんな健全な人々が
もっと多くなるように
どうかそんな世の中を
これから造っていって
くれたらいいのだけれど

なにわのあきんどは
たったのみっかかんで
よんひゃくどるのおかね
もうけたそうです

語呂合わせだよ君
後は読んだ人が
何もない所から
勝手に色々と
造りだしてくれる
それでも結局は
書いた人の心など
書いた人の考えなど
何一つ分からない

驚かないで
聞いて下さい
それでも彼ら
分かった積り
前よりもっと
近くにいると
強く信じて
疑わない

（１９９９、１１月１２日金曜日）