事の狭間に

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事の狭間に

引きずられるようにして
遣るべき事と事の狭間に
ぼんやり放心している私の
馬鹿馬鹿しい不快感のゆくえ
追い掛けるもまた馬鹿馬鹿しく
たまらなくもまたたまらない

お前は言葉を知らないのか
おそらくそれは当たっている
選別して適度の修飾を織り込んで
彩なす言葉の工芸織にでもしたら
君は満足するのかしら

ただ本当に表したい想いが
率直に強くなればきっと
気持ちに合わせた言葉なんて
僕達本当はそんなに沢山は
持ち合わせてなど居ないのだ

率直と虚飾を織り交ぜつつも
工芸品みたいに切磋琢磨して
言葉の狭間にゆとりなど設けて
なかば自らの想いを客観視
それが詩を仕立てるための
行程であると言うのならば

引きずられるようにして
記したい事と事の狭間に
ぼんやり放心している私の
馬鹿馬鹿しい不快感のゆくえ
言葉は次々にすり抜けて
手にはただ空しさだけが
忘れられたようにとどまっている
それを必死に拾い集めても
こんな駄文にしかならなかった

2008/10/21

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