詩人

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詩人

詩が書きたかった
詩か好きだったから
物心ついた頃から
ずっと思っていた
誰の詩も知らず
下手な言葉の列
思いのまま書いて
ただ楽しかった

いつの頃だろう
ひとの詩を読んで
真似することを
覚えたのは
それまでの遊び
急に恥ずかしくて
厚い紙たば
燃やして捨てた

そしていつしか
読むことばかり
自分の言葉を
書かなくなった
ひとの詩ばかり
必死で覚えて
自分の言葉
はじけて消えた

詩が書きたかった
自分自身の詩が
気持ちを伝える
ただ一つの道だから
そんな下らないこと
ずっと忘れて
今まで何して
来たのだろう

慌てて紙に向かって
詩を書こうとした
でも真っ白な紙は
いつまでもそのままで
もう書くべき言葉
何一つ浮かばなかった

伝えたい思い
なくした訳では
ないのだけれど
もう言葉には
ならなかった

作成時2001/09/17

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