駒回し

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駒回し

どんな言葉も真実でない気がして
なにを記述しても意味がない気がして
思いは短くとぎれて掴みとれず
始める側から馬鹿らしくては消していく

どこに行っても閉じこめられているようで
誰と話しても一人きり隔離されているようで
心がなにを求めているのか掴みとれず
浮かんだ側から馬鹿らしいくらい消えていく

それだけが自分の生活のすべてで
どんな仕事もお金を得るためだけの
生きる意味を忘れた繰り返しの連続に
同じ弧を描いて毎日が回っている

ぐるぐる回ってここまで来て
ぐるぐる回ってどこまで行くのか
同じ円をいつまでも描きながら
駒が止まって倒れるときまで
いつまでもいつまでも回っている

それでも駒が止まるのはたまらなく恐ろしく
これだけ無意味な回転運動を思っては
回っているのが自分だという理由だけで
どうしても止めるだけの勇気がない

これからどんどん古びて干からびて
醜く回転も鈍くなっていくだけの
生産性のない円運動の連続に
必死にしがみついて醜く生きていく

軽蔑して笑っている
あなたの人生が
醜く回転している
笑っている場合では
無いのだけれど

2007/3/26

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