こわれうた

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こわれうた

僕と関わりを持った、あらゆる人が
どうにかして、僕のことを、黙殺しようとするのです
決して否定はしないのだけれども
どうかして、僕を真空に、還元しようとするのです

それは、ひなびた一軒家の、ツタの絡まるような
玄関に向かって、雑草に包まれて、
裏口だけは、かろうじて老人の
最後の、生息を伝えているような

侘びしい、侘びしい、姿でもって
僕は、こんなにも、こんなにも、
倒れそうな、姿をさらしながら

誰ひとり、として、話し相手も、なくなって
それでも、なんだか、言いたい、ことばかりを
言っている、ようにさえ、思われて、世のなかが
不気味なくらいに、思われてなりません

僕の、記した、ひと言として、価値がなくって
僕は、こんなにも、全霊を込めて、想いを込めて
しゃべっても、黙殺、しゃべっても、黙殺
記しても、黙殺、記しても、黙殺

すごいや、僕って、まるで、路傍の石だったんだね
蹴っ飛ばされたら、返って、めっけもんなんだね
本当は、靴にすら、触れても、貰えないまま

だって、億だからね、この国だけでも
そうして、世界は、何十億、だからね
それで、貧困で、殺人で、もっと悲惨な

いなくなっても、しょせんは、全部が石ころで
僕ら、懸命に、自分を、主張したって
いいや、それは違う、それは違うよ、
なんで、そんなことを、平気で、ほざきやがるんだ

億の一とは、関係ない、誰もが、主観的に
認められては、身近な世界で、生き生きとして
社会的に、意義なんて、関係ないのに

けれども、僕のまわりは、果てしなく、閉ざされて
幼い頃から、地獄でした、まわりの、誰もが
動物みたいに、はてなく主観で、だって、考えの

突き詰めるでもなく、良き人も、悪き人も
結局は、フィーリングで、良き、悪き人であって
考えを、突き詰めるでもなく、ただ感覚のままに

良きとか悪きとか、雄叫びとか、伝統とか
無茶苦茶に、社会を、しているのは、こいつらなのに
感覚任せの、偽物の、ほざくだけの、思想以前

話し相手、それは、欲しかったなあ
僕も、一度くらい、膝つき合わせて
誰かと、話しても、見たかったなあ

だってさあ、すごいんだよ、僕が何を書いたって
何を、血みどろに、叫んでみたって、
黙殺なんだよ、黙殺、何の返事もない

ちょっと、気に触ったら、すぐにさようならさ
そうして、黙殺、黙殺、黙殺、黙殺
すごい、すごいよ、心が壊れちゃうよ

やめてよ、黙殺は、痛いよう、痛いんだよ
これじゃあ、詩にだて、ならないよう、ならないよう
すごいよ、これでも、ねえ、分かるかい

僕は、これでもなお、全体の、プロポーションと、
それから、言語のリズムと、破綻しているように見えて
最後の、詩としての、秩序というもの

保ってるんだよ、ねえ、なんで、分からないの
なんで、なんで、気づいてくれないの、こんなにも
こんなにも、叫んでいるのに、もう、もう、分からない

ああ、朝日が、焼酎が、痛い
こころが、寒い、ハートが、凍える
まるで、これは、真冬の、つむじ風

一歩、一歩ごとに、崖っぷち
それでも、よろよろ、歩いて行く
震えながらに、歩いていく

ああ、誰かの、声が、聞きたかった
でも、もう、誰の声も、聞きたくない
僕は、完全に、耳を、閉ざすのだった

2010/1/30

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