さみしくて、それから

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さみしくて、それから

さみしくて、さみしくて、さみしくて、さみしくて
それから君のささやきに思いを馳せるのです
夜更けのさらさらと銀河は流れるくらいに
跳ね渡る星のきらめきを僕は知っているから

かなしくて、かなしくて、かなしくて、かなしくて
それから僕のつぶやきは夜空を駆けるのです
更けさむのそよそよと森の歌われるみたいに
りんとした風鈴の軽やかさとたわむれながら

ねむりなさい、きみのこころ、とわに、ゆめみつつ
それからあなたのざわめきに心震えるのです
それは生粋の生まれたる水の惑星みたいに
逍遥と月影恋しく僕は思って祈るのですから

あいという、まぼろしの、ぼくたちの、かてならば
それからわたしの願いははるかなる蒸留されつくして
それは凛然(りんぜん)と立ちつくした稲田の案山子みたいに
雀どものかわした夕べの想いなど張り裂けてしまうでしょう

いのりまし、いのります、いのりませ、いのりくれば
それから手合わせの弥勒様くらいのやさしさで
すべてが赤く染まった蜻蛉の輪舞みたいにして
僕らの手のひらをそっと膨らませてくれることでしょう

さみしくて、さみしくて、さみしくて、さみしくて
それから君のささやきに思いを馳せるのです
夜更けのさらさらと銀河は流れるくらいに
跳ね渡る星の響きを僕は知っているから

ただ君だけを僕は願い続けて
それから夕べをつくして更けゆく頃に
あなたを追いかけた星の合間は清らかで
おやすみないとそっとささやいてみて
それから君の名前をそっと呼んでみるのだ
ああ、小さな鳥の声がたったひとつぶの
私に答えて下さるのでした

おやすみ、わたしのたった一人の
おやすみ、あなただけを
おやすみ、全宇宙に祈りつくして
君への想いには叶わないだろう

2009/2/3

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