おいしんぼう

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おいしんぼう

シャウエッセンのような不思議の味覚という
油染みた塩っ気のすばらしきおはようがある
僕は君のためにスープの南瓜をゆでながら
君の刻んだようなパセリの香りを楽しんだ

醤油垂らしてもワインのアサリ蒸しという
トマトっ足らずのさりげなきいただきます
僕は君のためにスープの人参を取り分けて
君の切り損ねたようなジャガイモの姿を楽しんだ

赤や緑を取り分けながらの
バターのかおりには頭もさがる
ちょっとにんにくそれからショウガ
刻んで君の肩を抱くのだ

それは命のすばらしさの不思議の結末という
誘惑もなき舌っ足らずの毎日の愛おしさ
僕は君のためにだらけた日常をこんなにも
君の愛したみたいな毎日に生きているのだ

黄色や青のテーブル掛けの
彩る仕掛けにはこころもはずむ
ちょっと口づけそれからスプーン
握って二人で朝ご飯・・・それから

シュウマイたべたいような昼の予感という
知性ったらずのだらしなきこんにちわもある
僕は君のために蒸し器を重ねてはみても
二人で刻んだような毎日を楽しむのだ
ああ命とはこんなシャウエッセンみたいな
ありきたりの日だまりにも気づくのだ

時はどうして流れるのだろう
今がずぼらに淀みつくしてしまって
だらしない太陽が明日を忘れて
秒針が仕事を放り出すならば
君とひたすらに肩寄せ合って
日だまりに横たわってみたいくらい
あなたとの毎日が今の私には
ようやく勝ち得た宝玉よりも
はるかにはるかに大切なのです

グーテンモルゲン
いつもあなただけに僕の
馬鹿な挨拶を聞かせたい

グーテナハト
いつも僕だけにあなたの
ちょっと恥ずかしがって言うような
挨拶も聞かせてほしいのです

いつまでもそうきっと
僕らの道のりが終わるまでずっと
聞かせてほしいのです

2009/2/6

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