(朗読なし)
寝済みの穴蔵するりと抜けて
人は夢みし闇夜や恋し
子を養いては忠を訓じて
年功序列に柱を削る
刃(やいば)を研(と)いでは注を訓じて
親を殺(あや)めることなかれ
身を翻しせば鮮やかにして
我に続けと馳(は)せるは今宵
あっちの厨房ちゅうして渡れ
こっちの馳走(ちそう)は中華の気配
そっちの籠には注視をつくせ
どっちも罠だ、注意だ注意
寝ずの寝済みのねずみの親子
火灯(ひとも)し頃に起きだして
人もし眠る夜更けに踊る
鰹節(かつぶし)かじればほろ酔いさ
あっちの厨房ちゅうして出でて
こっちの廊下を駆けるは我ら
そっちの部屋には忠義にもとる
仇(かたき)ぞ眠る、天誅天誅!
寝ずの寝済みのねずみの親子
見詰める先に鼻息粗く
昼にのさばる動物一つ
大きさ違えど流れる血潮は
五分と五分だと耳かじる
大きさ違えど流れる血潮は
五分と五分だと耳かじる
2007/12/20
2007/12/28改訂