忠君賛歌

(朗読なし)

忠君賛歌(2008年年賀状用)

寝済みの穴蔵するりと抜けて
人は夢みし闇夜や恋し
子を養いては忠を訓じて
年功序列に柱を削る
刃(やいば)を研(と)いでは注を訓じて
親を殺(あや)めることなかれ
身を翻しせば鮮やかにして
我に続けと馳(は)せるは今宵

あっちの厨房ちゅうして渡れ
こっちの馳走(ちそう)は中華の気配
そっちの籠には注視をつくせ
どっちも罠だ、注意だ注意

寝ずの寝済みのねずみの親子
火灯(ひとも)し頃に起きだして
人もし眠る夜更けに踊る
鰹節(かつぶし)かじればほろ酔いさ

あっちの厨房ちゅうして出でて
こっちの廊下を駆けるは我ら
そっちの部屋には忠義にもとる
仇(かたき)ぞ眠る、天誅天誅!

寝ずの寝済みのねずみの親子
見詰める先に鼻息粗く
昼にのさばる動物一つ
大きさ違えど流れる血潮は
五分と五分だと耳かじる
大きさ違えど流れる血潮は
五分と五分だと耳かじる

2007/12/20
2007/12/28改訂

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