憂鬱

(朗読ファイル)

憂鬱

奮発してたら一時間も過ぎちゃった
僕は、なんだかとっても憂鬱だ
なにが、コマーシャル万歳だ
そう思えば、不意に虚しくて
今は、好ましき中也の詩(うた)さえも
口に出したくないくらい不愉快だ

詩(し)のもたらすとある仕草というもの
ひとりひとりの言葉遣いの人間らしさが
時にいたたまれないほど気だるくて
それが自分の言葉であればこそ
なおさら吐き出したくなることもある

憂鬱の虫が這いずり回り
鏡に出くわしてもおののいて
潔癖症みたいな消しゴムでもって
自分の姿をすら消したくなる頃
そんな時は扉を逃れて
日だまりのなかを向かうがままの
歩幅に合わせて心も晴らす
それしか解決はないのだけれど
僕はもう少し頑張るくらいに記そうか

2009/08/16

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