「俳句三句」

(朗読ファイル)

俳句三句

野辺を逍遥(しょうよう)するの句

「もとうた」
   草踏みの
    燻り野ゆき
   月見草

「いまうた」
   草を踏み
    行く人影や
   月見草

鳥誘う空に愉快を仰ぐの句

「もとうた」
   芳草の
    さえずるものを
   仰ぐ空

「いまうた」
   芳草の
    さえずりに逢う
   散歩道

春眠に頬杖を挫(くじ)けるの句

「もとうた」
   春風や
    夢うち破る
   頬くずれ

「いまうた」
   春風(しゅんぷう)頬をゆるみ
    夢より果てて
   あごを打つ

      「もとうた」2008/5月
      「いまうた」2011/10月

2011/10/13

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