女郎花(おみなえし)

(朗読ファイル)

女郎花(おみなえし)

橄欖石(かんらんせき)の 憧れかざして
夕べの月よ ほてった涙よ
一歩ごとへの 女郎花(おみなえし)かな

雲母(うんも)のかげを 僕は見つけた
路線を並べた 水際(みぎわ)の川瀬に
二足ごとの きらめく銀河よ

鳶(とび)は気高く お空は闇だ
乾いた仕草の 小指を絡め
畦(あぜ)に土竜(もぐら)の 子守歌がする

黒曜石の 網膜剥離や
わいだめもなく 町のともしび
滲んだ僕の 嘆息に似たり

橄欖石の 憧れかざして
夕べの月よ ほてった涙よ
一歩ごとへの 女郎花かな

2009/2/11
2009/06/11そのまま掲載

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