木陰の パンの 哀しみは
校舎 時計の ハイカラさ
あんな 卵の 雌鳥が
逃げ出したって 言うのだから
走る お池と 湯気立ちて
屹然(きつぜん) として おりましょう
まるで むかしの 俤(おもかげ)と
逃げ出したって 言うのだから
中庭 すべって 苔の岩
ひなびた 児童は そこかしこ
廊下の 春も 教頭の
髪毛(かみげ)にあっては 報われぬ
呼び鈴 待ってた 椅子のみの
黒板 授業と なりまして
校庭にあって まあるく 走っているあの
ねえ あれは 雌鳥だってやいたしませんか?
2009/2/10
2009/6/11改訂掲載