婚礼の宴

(朗読ファイル)

婚礼の宴

夜霧の お歌は 煙った 煙草だ
 三叉路 はじけて お馬の 蹄(ひづめ)
貴婦人 ヴェールの 指には ダイヤだ
 ぴかぴか 路地より 向かうは 宴だ

舞踏に 似合わぬ こいつは 何だ
 ヴィオラの 隣で 蹄の 音だ
ヴィエール ばかりか 盃(さかつ)く 今宵の
 諸君に こだます 乙女の 祈りだ

なんとも 謝礼も 酔うほど くれぬは
 紳士の 浮浪と 見違う 財布だ
  そうよ だからって すごい功績じゃあなくって
 ひそひそ 話すは 婦人の ダイヤだ

  それから マーブル 鳴らせよ マーブル
    吟遊 詩人にゃ しわくちゃ 尽くして
  鍵盤 奏者の 鼻から くしゃみだ

鐘楼(しょうろう) 鳴らすは 僧侶じゃ ないか
 夢見の 鳥だきゃあ 起こしちゃ 駄目だぞ
さらさら お空に 銀河の うずが
 散るまで 舞踏の 終わらぬ 気配だ

さらさら お空に 銀河の うずが
 散るまで 舞踏の 終わらぬ 宴だ
さらさら お空に 銀河の うずが
 散るまで 舞踏も 果てなき 願いだ

2009/2/21
2009/06/12改訂掲載

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