風見の鳥のよそ見には
日射しに追われた雲ひとつ
社交家気取りのポロシャツは
たまたま揺られておりました
ああ何もなくうつくしき
僕は見つめておりました
庭のしずかと土焦がし
蝉もだるくて茹(う)だってた
恋にも飽きてた日盛りの
さりとて立ち去ることもなく
いわゆるすべては熱々と
ゆで麺みたいになりまする
蟻さえ潰して靴音来れば
蜘蛛の板戸も千切れて果てた
若葉揺れたら土産ばひとつ
忘れかけてた友こそ出でなん
今また髪毛の薄らぐきわを
さんさん照らして目眩(めまい)なるかな
風見の鳥のよそ見には
幾とせ隔てた時ばかり
社交家気取りのポロシャツも
今やくすんでおりました
ああ友もなお負けたかと
僕は見つめておりました
ああ僕もなお負けたものかと
友も見つめておりました
2009/07/06