恋するあなたは夢だった
朝日といっしょに消えてった
僕はなんだか悲しくて
目覚めたとたんに泣きだすと
一羽のつぐみがそれを見て
くすくすいっては羽ばたいた
さえずりばかりはうまかった
恋するあなたは夢だった
朝日といっしょに消えてった
お腹はだんだん空いてきて
洗ったばかりの顔拭いて
こんがりトースト焼き上げて
テレビを付けたらキャスターが
晴れるといって笑ってた
恋するあなたは夢だった
朝日といっしょに消えてった
ある朝の、目覚めたとたんのその影は
つかむ間もなく夢だった
・此の朝、中也の「桑名の駅」の詩を思い浮かべつつ、ひとつの歌を作るなり。
2009/07/03
2009/07/06改訂