狂騒

(朗読ファイル)

狂騒

狂騒はおどけた仕種(しぐさ)で
御(み)らのこころを騒(さわ)ぐる

雨こそは濡れて萌え揺(ゆ)る柳の
ぬるきとこあれ華やぐ風情か

穂照(ほて)りの頭や看板くぐりと
留めて思索と情に棹(さお)さす

狂騒はおどけた仕種で
御(み)らのこころを騒ぐる

煙ヶ原(けむりがはら)から宮柱(みやばしら)ふとしり
けだるき湯気さえもはやおびたけど

あふれん鼓動の激昂をして
あらしめよ、僕は女を欲している

巡らんとするもの、そは稲穂(こがね)の悟りなるや
春宵(しゅんしょう)かまけて濁りを慕う

時の音(ね)と蛇の尾の纏(まと)わりと
のたくるような刻みの宴には

そが魂を買いかぶり
手弱女(たわやめ)は神へといたるのだ

くすぶる諸悪のゆえんはいかにか
僕に恋人あらんがゆえに

2009/3/13
2009/06/12改訂掲載

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