「第2章 借用和音の総括」 覚書

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借用和音(冠のようにぽこり置き和音)

・「確定度の低い(短くて、カデンツが弱い)ある種の内部調」の所属和音を、かりに主調の所属和音として把握してみただけのこと。それが準固有の○になったり、ドッペルドミナント和音になったりするのです。今すぐにです。
・内部調から主調の借用和音への書き換えを所属転換というって、そんな言葉誰が使うねん。とにかく、括弧から出したら、頭の上に載せてやるのさ。ぽこりとね。
・固有和音として所属する調を、固有所属調。(つまり、内側の調)借用和音として所属する調を借用所属調というなんて説明もある。(外側の調)

借用和音の所属転換について

・副次調で、D→T,S→D→T,S→Tで終止定式を持たず、さらに最後の和音がTならば、上にぽこり置く方がよい。出だしのⅠは、元の調に明確に所属するから、借用和音と見なす必要はない。
・副次固有和音ー副次調を固有所属調とする借用和音。つまり、ぽこり置きされた和音。
・以下、準固有和音・準副次固有和音の説明。言葉を覚えても、メリットはリンスなし。

借用和音は主調から見た時には、
→根音に応じて、同類TSD機能分類してしまう。

幾つかの例

①全終止→偽終止の変形

・全終止の後に偽終止TSTが来る時、全終止の終わりのⅠを、Ⅳ調の属7.9にすることが出来る。

②+Ⅰの和音

・短調で単独使用されることがある。特に楽曲終止部分。①の例の時は、ほぼ間違いなく+が付く。これは、ピカルディーの3度ではありませんか。

③これも使うっちゃ

・短調のーⅡと、長調の準固有ーⅡを主和音とする調。それぞれ、ーⅡ調、○ーⅡ調と呼ぶ。・・・○はほんとはもっと小さいのだが。ーⅡをそのまま属和音Ⅴにぽこり置きした形も書かれてますから、使ってください。

④Ⅳのぽこり置きされた属和音Ⅴは

・Ⅳの2転や、Ⅳ+系和音にも進める。

内部調の中にも、借用和音を考えることが出来る

①内部調で短調を徘徊している間に+Ⅰが出てくることは、いっこうに差し支えなし。さらに(C dur)のⅥの内部調で出てきた+Ⅰなどを、確定度が低いから、外に出して、+Ⅵとしてもいっこうに問題なし。

②確定度が低い場合の所属転換は、内部調がドッペルの場合 →Ⅴのうえにぽこり置かれたⅤがあって、そのうえに更に冠がぽこり置きされる。

注意

・確定度が高く疑問の余地のない場合以外は、主調に対する借用和音として書いてしまえ。

極小調

・1個か2個で形成されるが、多くの場合所属転換して主調の借用和音として記入してくれ。Ⅴ諸和音は1個でも極小調を築きあげちゃう。S諸和音は2個ペアで初めて極小調である。これも主調に書き換えてしまえ。

2004/8/31

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