2017年4月初めまで

2017年4月初めまでの和歌

 あまり存在しないが、残されたものを記す。

靴のあと
  埋もれて君に 雪宿

里は荒れて
  枯れ枝に百舌の 風宿(かざやどり)

雨降れば
  降ります雨の やさしみは
    あじさいに聞く かたつむりの唄

    [推敲後]
雨降りな
  雨は降ります やさしさを
    あじさいに聞く かたつむりの唄

風見鶏
  つかの間夢の からまわり
    惚けて宵の 軒にたたずむ

     [推敲後]
風見鶏
  つかの間夢の からまわり
    くたびれ宵の 軒にたたずむ/ほうけて

カモミール
   覗き込みます あの頃の
 瞳の奥に ひそむ恋かな

カモミール
   覗き込みます 少年の
 瞳の奥に ひそむ恋かな

遠ざかる
  サイレンみたいな お前の写真
    ゆがんで見える ミラー越しして

犬吠えて
  鼻に舞い散るさくらかな

2017/04/02

 桜を眺めつつ、職場に向かいながら思いつくには。

今節は馬鹿も花見と果てにけり

 こちらは、別に意図するところなく、不意に思い浮かんだもの。

なき虫は恋の歌かなあらい髪