符号の黎明
最果ての夢よ
崩れかけたの人よ
その魂だけが
けがれを知らずに
ひたむきに歩む
無邪気なこころよ
その魂だけが
まがたまみたいにして
どうしてたった一つの
本当のきらめきだって知らずに
追い求めたりしたのだろう
狂騒の偽りを
どうしてたった一つの
ありきたりを信任せずに
追い求めたりしたのだろう
野獣の供宴を
最果ての願いよ
崩れかけたその人よ
ただあなたの魂だけが
僕らのけがれを知らずに
ひたむきに歩む
無邪気な道しるべだった
それを僕らは、願い信じていたんだ
触れ合う優しさみたいにして
闇の鴉さえ怖くなかった
そんな祈りみたいに
昇華されたあなたの魂だけが
僕らの真実だったはずなのに……
かささぎの渡しかけた
まぼろしの橋みたいだね
寒い夜、僕らはもうけっして
あなたに触れることなんか叶わない
凍えた仕草のそほどして
それぞれに片足を突っ張らせて
あなたのまぶしいほどのきらめきを
もううらやむことさえむなしくて
いつわりのまなざしで眺めては
ありとあらゆる言葉で罵って
せめてもそれを自らのなぐさめみたいに
朽ちていくようなそほどして……
宵にまみれて人の世は終わり
これからはがらくたの情緒
誰のためにも魂を投げ出すことなど
思いも寄らない符号どもの
魂を投げ出す演技に涙する
造り上げられたものどもの
温室まみれのいつわりの
幸せに満ちた鐘がなり響くだろう
人で無くしたあなたを褒め称える
ほがらかな鐘が鳴り渡るだろう
僕らのもっとも憎んだ
符号の符号の世界の黎明です。