酔いどれの落書
夜半の花火
くちびる君は さよならを
告げようとして みなだ満たして
谷渡る
蔦の絡みの 背伸びして
はびこるほどの いのちともがな
教えてよ
やさしい声した 病棟の
ひとみそらせば かなしみの色
しょせんは/つかの間の
いのりの酒の ともし火を
たよりに描く ポエムなのかな
いつか君の
振り向く影の その刻に
わたしはなくて 宵の落書
うずもれて朽ち木になずむだるまかな
誰が声か 逢魔が時を 夕まぐれ
朽ちゆくかゞし あるはわたしか
ひっそりと朽ち木になずむ鬼火かな
天馳せる 夏告げ鳥よ
滝繁く しぶき吹き上げ
雲へ届けよ