手の生えた夢歌

手の生えた夢歌

ひつじ尽きてよしずに掛る物の息

指で描(えが)く丑三つ春は魔方陣

人はえて手の寝静まるすだれかな

この骨さえ誰が銀河の秋野かな

雪に這う手のみ残りて揺らぎけり

元日の覚めざめ夢や両の腕