「君と僕とのはかなさは」

君と僕とのはかなさは

人のいのちのはかなさは
 春の夢したうす氷
  プレパラートな標本に
 ゆだねた風のいたずらです

それも知らずにはしゃぎあう
  けんかしながら不意に手を
 握ってみてはもどかしく
   シャボン玉して消えたなら

君と僕とのはかなさは
 それよりもっとたよりなく
  あふごかたみなはしわたし
 マイナス粒子のいたずらです

それさえ知らずつゝきあう
  もつれた糸のはしゃぎして
 たわむれ眠りは夢のなか
   それでも君に逢えるかと

咲き誇るさえはかなくて
 しあわせうらやむ風の声
  つめたい雨は打ちつけて
 ぱりんと標本割れました

あなたと愛のはかなさは
  プレパラートな春の夢
 靴音にさえ怯えては
   こわさないでねうす氷

二人の指のはかなさは

二人の指のはかなさは
 春の夢したうす氷
  プレパラートな標本に
 ゆだねた風のいたずらです

それも知らずにはしゃぎ合う
  もつれた糸の甘えして
 触れたくちびるもどかしく
   プリズム透かして恋ごゝろ

君と僕とのはかなさは
 それよりもっとたよりなく
  あふごかたみな揺らぎして
 マイナス因子ないたずらです

それさえ知らずにもつれ合う
  からまる糸のはしゃぎして
 たわむれ眠れば夢のなか
   いつまで君に逢えるでしょう

咲き誇るさえはかなくて
 うらやむ風のつめたさは
  手のひらむすんで透き通る
 水晶さえもひゞ割れて

あなたと愛のはかなさは
  プレパラートした春の夢
 雨粒にさえ怯えては
   こわさないでねうす氷

つまるところ

 初めの落書きを整えながら、二つ目の落書きを描き出して、それを踏まえて何かを、生み出せないかと思ったものの、時期を過ぎてはテキストファイルに、放置されていた落書きを、今はそのまま提示して、元のfileを抹消しようというだけのことです。