「たとえばわたしの終わりには」

たとえばわたしの終わりには

たとえばわたしの終わりには
まっさら骨を粉にして
星降る夜の砂浜に
さらさら撒いて風の歌
聴かせてくれたらそれでよい

たとえばわたしの終わりには
小さな日記も灰にして
真夏の花咲く庭園に
さらさら撒いて太陽に
さらしてくれたらそれでよい

それでもなみだがあふれたら
こころの扉に寄り添って
やさしく声をかけたなら
さらさらそよぐささやきを
あなたに返してみたいけど……

たとえばわたしの終わりには
おもかげ色したスケッチを
似顔絵にして窓辺から
さえずる小鳥のさえずりに
ほほ笑み返してくださいな

(時乃志憐)