星の歌

星の歌

僕の星
 手を伸ばしても つかめなくて
   それでもあれは 僕の星だから

  きらめきは
    明日はあなたの ものだから
   子守歌して 今はおやすみ

あたゝかな
  くすぐったくて 風の音
 星のまたゝき やさしい歌声

  まだ夜は
    さそう闇して ぬばたまの
   かなしみかくして かどわかすから

不思議して
  やさしく包む 呪文みたい
 ずっと離さないで ぬくもりの空

  とばりおりて
    眠くなります またゝきは
   おひつじそれとも 星のいたずら

ぼうっとして
  降ります星の いたずらに
 遊びつかれて おわり火きらめく

  ねえ坊や
    いつの悲しい サソリの火
   それさえ君は たのしくしていて

ねえ母さん
  それはなんの 呪文なの
 やさしい歌声 星のまたゝき

  もし君が
   さみしく星を 見上げても
    わたしは見ている いつも近くで

泣いているの
  わらっているの うれしいの
 かなしいの それとも 僕が好きなの?

  いつかすぐ
    君はそんな 言葉さえも
   忘れてしまうでしょう
     けれどもしいつか……

おやすみ母さん
   僕のまぶたは 子守歌
  おも/\してます 赤いお星さま

  おやすみ坊や
    身を焦がしては 凍らせる
   冬のおゝかみが 吠えながらいつか
     あなたを食いちぎろうと
       する時に……

    あなたの忘れたぬくもりを
      かなたの星のかゝりから
     わたしがきっと照らすでしょう

  その時お前はいつの星
    つかみ取ろうとしたあの星の
   夢とか希望とか信じてた
     その正体を知るでしょう

    おやすみ坊やつまずいて
      よろけてこゝろくだけても

       あなたを守れる
         星になれたら……