2017年初歌
既存の発句の累積に辟易し、一層の精進を志すも、清新なる息吹は見られず、結末は体裁をもてあそぶが如し。巧みを差したる職人の、道程を過ちたるみじめさを、今は思い知るが如し。もとより、並ぶ物にはあらざるべし。
初音鳥
洗い顔さえ きらゝかに
清水したゝる 手水はじけて
初心者に逆戻りか
さらなる意義と着想の妙を求めて、さまよい歩く迷いの森には、いつしかかの謎の表現者どもの、村落がひそむといいます。おいで、おいでと、手招きしながら……
白と黒
入り乱れては いくさ場に
雲は流れて 遠吠えの風
懲りずにまた
風刺や批判を述べる詩は、短詩とは相容れないものではないかと、思いつつまた落書きして、後で見返せばあまりにも、つたない意義に辟易し、これまでの歳月の無為徒食をなげくばかりの夕べです。
色違い
飾り付けてして 鏡越し
ほほ笑みまくる いびつなピエロよ
塗り絵みたい
眉毛はりぼての まつげして
調和もなくて 染める髪の毛
恋人を
飾り自らを 塗りたくり
見せびらかします 泥の人形
ひたむきな
言葉恐れて 泥投げて
けがし尽くして 掃き溜めの沼
あきらめて
今はつたなく眠ろうか。
それが2017年の初めの結論でした。
お休みなさい、夢の人……
君の名を
ガラス窓して春告星