創作きわめて少
ほとんど、『大和物語』の朗唱的朗読の試みに費やしたような半年だった。というと、さも時間を費やしたような書き方だが、あいかわらずぐうたらの時の狭間に、辛うじて何かをしているくらいのものには過ぎないものを。
2018年前半頃
むすばれてあなたの声よ月あかり
風月下
揚げの酒場の港町
盆暮れてふりむく墓よあお光
たそがれのあやに染めては辻の占
秋暮れて舞の錦の後始末
冬の葉のたゆたう夢よ後始末
夕焼けの
染め色なみだ 小焼けして
だあれも来ない ふらこゝの唄
しのゝめに
指揮棒を待つ鳥たちの
世界は静寂にあるようです。
摩天楼
靴磨きするピーターと
カポネが夢とフィッツジェラルド
2018年8月初めふるさとにて
ひぐらしを風まぜにして蝉時雨
降り浴びに小浪の池よ蝉の杜
ハンノキの水無しの池の林かな
森の端に涼しくかげる西日かな
宵さそふ風にいきつく盛夏かな
果の蠅かたくなに付く真夏かな
風は日を追うひぐらしに包まれて