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同一精神上のアリア

同一精神上のアリア 弱り切ったその人は   酒を飲ませてももう駄目で  意気消沈を友として    怠惰を抱えて揺らいでた 風前の灯火なのだと   ちょっと笑った笑顔には  やつれたような能面の    いつわりの表情が浮かんでいた ただ歳月に流されて   朽ちゆく枯葉を待つような  その精神は干からびた    がさがさとしたけがれして 遠くみずみ………

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祖父の身まかりたるに詠める

2015年師走 2015年12月25日    祖父の亡くなりたる夜も更けて  日の移り変はりたるによめる ますらをの黄泉路も歳の果ならむ 撃たれし友がもとへかきみが魂 わかれては    けがれなくして なきがらの  天(あま)へと馳せる きみがみたまは あるじなくて    師走にひらく さつきかな 汝と吾   時瀬の波に 酔ふ酒は     語りも尽きず   朝ぼらけかな 幼き頃  ………

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2016年元旦

2016年1月1日  あらたまる年も年ごとに人のかりそめの尺度に過ぎないことばかりが味気なく思われるこの頃には、よろこびも薄れゆく気配ではありますが、人を捨て去れないわたくしもまた、人の世の習いに従うものとして、年明けを祝うのもまた、おもしろかろうとは思うのですけれども…… 静けさに   映える街なみ 陽浴びして     羽ばたく鳥よ としあけの空 あいさつも………

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T o K i N o 日 記

 をむなもすなる日記といふものを、    をとこもしてみむとてするなり。  望(もち)の年の、八月(はづき)の四日の、戌(いぬ)の時に門出す。     そのよし、いさゝかものに書きつく。  ある人、酔いに果てゝ、例のことゞも、なにもなし得ず、    あばれまはりて、住むべき端末さえ打ちて、戻るべき宿さへあらず。   かれこれ、残されしものうしなふ。  年頃、思ひかへすこと………