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なんの夢

今朝の夢  正しくは今朝では無い。起きたのは夕暮で、壊れた時計は昼と夜を移し替えて、どう頑張っても夜に眠ることなど、出来なくなってしまっているのだから。  わたしはかつての大学の教授から、かつてのわたしの面影みたくして、ある楽譜を眺めながら、楽曲の解析を教わっているらしかった。それはオーケストラとピアノのアンサンブルで、かたわらにはピアノが置かれていた。教授が弾き流したとき、その楽………

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いくつかの断章

いくつかの断章 どれが良いやら 恋見月   夢見る夜半の 月影は     届けられない 君色のなみだ 恋みづき   夢みおぼろの 月影は     あなたへとゞけ ひめごころして 夢みづき   うらゝおぼろの 月影は     あなたへとゞけ ひめごゝろして 夢みづき   うらら月影 ひめごころ     恋に揺らめく あたな映して ………

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座興の句について

即興的パロディー パロディーの質とオリジナル     -あるいはパクリと創作について ビアガーデンにて  不意に酒の句を作れと言われれば、凡人であれ、乏しき知識をもてあそび、 静かさや   岩に染み入る 蝉の声 など、ほとんど唯一の知っている俳句を元に、 ほろ酔いや   喉に染み入る 酒の声 くらいは、誰でも詠みたくなるところ。 ………

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あの頃の面影

あの頃の面影 はしゃいでた   あの日の夢も 木造の     きしみわたしと 消えてゆくなら 放課後の    中庭いちょう 夕まぐれ  手を振るわたし たれに手を振る 水道の   蛇口のむこう のぞき込む     はしゃぎつかれた 別のわたしが 僕の手に   忘れものした 見せしめは     マジックみたいな 宿題の文字 かわになを ………

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ほろんほろほろ

あるいは推敲について  2016年初め頃か、意味もなく、    写実でもなく、ふと浮かんだ句といえば。 ほろんほろ/\    おぼろ月夜の かたり唄  これを推敲しようとして、思い悩むには、 ほろんほろ/\    つき夜おぼろかゝたり唄 ほろんほろ/\   かたりおぼろの月夜かな  翌日、着想がこなれて生まれるには、 ほろん………

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ある夏の日の思い出

ある夏の日の思い出  日頃のニュースには戦争の惨事を伝えるとき、かつての面影と混じり合い、つかの間の幻想は、いくつかの落書きへと化すだろう。 砕け散る   夢のことさえ 燃え尽きて  廃墟と化した 街は夕闇 雨音は   おとぎ話の お人形  つんざくように よぎる銃声 姉の手を   握りしめては 階段に     うずくまります 真っ赤な人形 ………

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落書

意味も無く 君の吐息    星降夜の 絵描き歌  という句を思いついたのにまかせて、    ほろ酔いにいくつかの落書きを記したもの。 白妙の   ため息に聞く別れ歌 星の川原   ささやく君の 瞳かも 君の名を   短冊にそっと しのびまつ 陽を浴びて   ほろ酔い嘆く鴉かな   それでも歌は俺のすべてと…… ………

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小鳥らの唄

小鳥らの唄 大切なものを無くした朝に  描いた小鳥は夢でした   かろやかにさえずるまぶしさに  にじんだ涙は風でした なぐさめたいな悲しみを  ゆらいだ草のしずくして   かろやかになびく風ならば  手を振るわたしのあきらめさえも…… 未練もなくてほがらかに  大気へかえすかすみして   さえずりおどる小鳥らの  未練もなくて消えました。 夢………

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2017年4月初めまで

2017年4月初めまでの和歌  あまり存在しないが、残されたものを記す。 靴のあと   埋もれて君に 雪宿 里は荒れて   枯れ枝に百舌の 風宿(かざやどり) 雨降れば   降ります雨の やさしみは     あじさいに聞く かたつむりの唄     [推敲後] 雨降りな   雨は降ります やさしさを     あじさいに聞く かたつむりの唄 ………

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2017年初歌

2017年初歌  既存の発句の累積に辟易し、一層の精進を志すも、清新なる息吹は見られず、結末は体裁をもてあそぶが如し。巧みを差したる職人の、道程を過ちたるみじめさを、今は思い知るが如し。もとより、並ぶ物にはあらざるべし。 初音鳥   洗い顔さえ きらゝかに     清水したゝる 手水はじけて 初心者に逆戻りか  さらなる意義と着想の妙を求めて、さまよい歩く迷いの森に………

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2016年和歌拾遺

2016年の和歌拾遺  自ら落書きし、サイトのコンテンツにも採用されず、置き去りにされた和歌を、ここに残し置くもの。 3月頃 枯れ葉踏む夜来に遠き犬の声      「あるいはまた」 枯れ葉踏む   夜更けてすさむ犬の声 [完成前の思案を幾つか] 枯れ葉踏む夜更て遠く犬の声   夜更けして枯葉にわたる   遠夜に響く犬の吠え   遠吠え渡る ………

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師走の落書

つかの間の落書 星は流れ    天(そら)は双子の 夢芝居 どす黒い風    雲吹きすさぶ 雨しぶき  悲鳴に塞ぐ 神鳴りの声 あすあした   あしたあすなろ 明日あした     あなた好きだよ 伝えられずに もう誰も    人でなくした 冷たさに   汚く凍る 宵のセメント   [詩の原理は意義よりリズムにあるか] 君を嫌う   あ………

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虚偽の哲学

虚偽の哲学 一 虚偽は虚構を共として   偽善をロマンスと風に乗せ     羽ばたく夢さえ餌まみれして   太ったきらびやかにあふれてた 現実はむさぼるみたいな   虚構をつなぐ時の釣り糸にして     怒りも笑いもいつわりにかどわかされ   セピアに褪せて揺らめいていた 日常は与えられた快楽の   代償として支払う贄(にえ)となり     目の前の人さ………

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歯っ欠けじゞいの食い意地歌

歯っ欠けじゞいのうらみ歌 Ⅰ 歯っ欠けじゃよ、歯っ欠けじゃ   歯っ欠けじゃろうて、歯っ欠けじゃ     歯っ欠けじゞいのうらみ唄 じゞいの歯っ欠け、台無しなって   食うも食われぬ、ボロ切れの     餅も食われぬみじめさよ 飲み足りなくて、また飲んで   食い足りなくて、また食って     食事の合間に、おやつらやら   なにやら食って生き抜いた ………

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酔ひのみ歌ふ鴉かな

機械仕掛の人形 壊れかけ   人型しては 快楽を     餌とむさぼる 古代人形 純鉄の   精度の極み 極めては     不純くらいな 知性掲げて 情動を   離れた原始 回路図に     おびえて眠る 古代人形 それは君の   理念ではなく 実体でもなく     わずかな付属物の (不純物の真珠みたい)       結晶にしか過ぎないものを………

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蛍の歌

蛍の歌 あなたはどうして   そんないつわりのイルミネーションや  飾り立てたショーウィンドゥに    はしゃぎ回るようなおさな子みたいに 静かな三日月の頃の   浜べの砂のあこがれみたいな  潮騒のささやきさえ捨て去るみたいに    磨かれたしら玉にあこがれるのでしょうか そんなものなどなくても    僕らの毎日は豊かで暖かくて  そうしてささいな食事し………

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子供しか知らない世界

子供しか知らない世界 走書 子供しか   知らない世界 見つめても     気づかれない夢 花のささやき/街角のワルツ お空に僕    見たんだでっかい ねり歩く  僕に手を振る 雲の神さま 雪だるま   おそってくるぞ 秘密基地  迎え撃ちます いのち掛けして 遊び疲れ   寝そべる膝に おぼろ月 春めく妹の仕草に困る坊やかな ………

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幻影の竪琴

光と影   夢と幻 過去と未来     砂時計して 刻の旅人 いつか僕の   墓標にそっと 祈る君を     たったひとりの 友と定めて   わたしは生きぬく      刻のはざまを…… あまりにも   沢山の嘲笑を 真に受けて     あなたのこころも 信じられずに   ただ祈ります     君が友だと…… 神さまが   ま………