朗読
あらすじ
二十一
良少将(良岑仲連 あるいは良岑義方)が、監の命婦(げんのみょうぶ)のもとに通っていたころ、女から和歌が送られてきたので。
二十二
良少将が、太刀に使用する皮を求めたら、監の命婦が「わたしのところにあるわ」と言ったきりくれないので。
二十三
陽成院の二の皇子である元平親王が、宇多天皇の娘である依子内親王(いしないしんのう)と結婚してから、後蔭の中将の娘のところに行かなくなってしまった。ひさしぶりに彼女のもとを訪れれば、女は話しも出来ず隠れてしまったので、元平親王が和歌を贈ると、返事があった。
二十四
醍醐天皇の時に、藤原定方の娘が、上の御局に参上した時に、帝がいないので詠まれた和歌。
二十五
明覚法師(よく出てくる藤原千兼の妻「としこ」の兄弟)が、亡くなった高僧の僧坊に、今は枯れた松があるばかりなのを見て。
二十六
桂の皇女(みこ)、つまり宇多天皇のむすめ孚子(ふし)内親王が、人目を忍んで逢っていた男のもとへ詠んだ和歌。
二十七
戒仙(かいせん)という法師が、親元に洗濯物を届けたら、そんなことさせるなと言われたので、和歌を送りつけた。
二十八
その戒仙が、父が亡くなった年の秋に、紀貫之や紀友則などと酒を飲み交わしてた時、父親のことがしみじみと思い出されて……
二十九
今はなき敦慶親王(宇多天皇の皇子)の宮で、藤原定方や、他の公卿たちが、囲碁やら管弦をしつつ夜になれば、みな酔っては語り合う。おみなえしを頭にさした定方が詠む和歌。
三十
今はなき源宗于(むねゆき)が、昇進出来ないので、宇多天皇にぐちったような和歌。