小鳥らの唄
小鳥らの唄 大切なものを無くした朝に 描いた小鳥は夢でした かろやかにさえずるまぶしさに にじんだ涙は風でした なぐさめたいな悲しみを ゆらいだ草のしずくして かろやかになびく風ならば 手を振るわたしのあきらめさえも…… 未練もなくてほがらかに 大気へかえすかすみして さえずりおどる小鳥らの 未練もなくて消えました。 夢………
女もすなる日記といふものを男もしてみむとてするなり
小鳥らの唄 大切なものを無くした朝に 描いた小鳥は夢でした かろやかにさえずるまぶしさに にじんだ涙は風でした なぐさめたいな悲しみを ゆらいだ草のしずくして かろやかになびく風ならば 手を振るわたしのあきらめさえも…… 未練もなくてほがらかに 大気へかえすかすみして さえずりおどる小鳥らの 未練もなくて消えました。 夢………
2017年4月初めまでの和歌 あまり存在しないが、残されたものを記す。 靴のあと 埋もれて君に 雪宿 里は荒れて 枯れ枝に百舌の 風宿(かざやどり) 雨降れば 降ります雨の やさしみは あじさいに聞く かたつむりの唄 [推敲後] 雨降りな 雨は降ります やさしさを あじさいに聞く かたつむりの唄 ………
2017年初歌 既存の発句の累積に辟易し、一層の精進を志すも、清新なる息吹は見られず、結末は体裁をもてあそぶが如し。巧みを差したる職人の、道程を過ちたるみじめさを、今は思い知るが如し。もとより、並ぶ物にはあらざるべし。 初音鳥 洗い顔さえ きらゝかに 清水したゝる 手水はじけて 初心者に逆戻りか さらなる意義と着想の妙を求めて、さまよい歩く迷いの森に………
2016年の和歌拾遺 自ら落書きし、サイトのコンテンツにも採用されず、置き去りにされた和歌を、ここに残し置くもの。 3月頃 枯れ葉踏む夜来に遠き犬の声 「あるいはまた」 枯れ葉踏む 夜更けてすさむ犬の声 [完成前の思案を幾つか] 枯れ葉踏む夜更て遠く犬の声 夜更けして枯葉にわたる 遠夜に響く犬の吠え 遠吠え渡る ………
つかの間の落書 星は流れ 天(そら)は双子の 夢芝居 どす黒い風 雲吹きすさぶ 雨しぶき 悲鳴に塞ぐ 神鳴りの声 あすあした あしたあすなろ 明日あした あなた好きだよ 伝えられずに もう誰も 人でなくした 冷たさに 汚く凍る 宵のセメント [詩の原理は意義よりリズムにあるか] 君を嫌う あ………
虚偽の哲学 一 虚偽は虚構を共として 偽善をロマンスと風に乗せ 羽ばたく夢さえ餌まみれして 太ったきらびやかにあふれてた 現実はむさぼるみたいな 虚構をつなぐ時の釣り糸にして 怒りも笑いもいつわりにかどわかされ セピアに褪せて揺らめいていた 日常は与えられた快楽の 代償として支払う贄(にえ)となり 目の前の人さ………
歯っ欠けじゞいのうらみ歌 Ⅰ 歯っ欠けじゃよ、歯っ欠けじゃ 歯っ欠けじゃろうて、歯っ欠けじゃ 歯っ欠けじゞいのうらみ唄 じゞいの歯っ欠け、台無しなって 食うも食われぬ、ボロ切れの 餅も食われぬみじめさよ 飲み足りなくて、また飲んで 食い足りなくて、また食って 食事の合間に、おやつらやら なにやら食って生き抜いた ………
機械仕掛の人形 壊れかけ 人型しては 快楽を 餌とむさぼる 古代人形 純鉄の 精度の極み 極めては 不純くらいな 知性掲げて 情動を 離れた原始 回路図に おびえて眠る 古代人形 それは君の 理念ではなく 実体でもなく わずかな付属物の (不純物の真珠みたい) 結晶にしか過ぎないものを………
蛍の歌 あなたはどうして そんないつわりのイルミネーションや 飾り立てたショーウィンドゥに はしゃぎ回るようなおさな子みたいに 静かな三日月の頃の 浜べの砂のあこがれみたいな 潮騒のささやきさえ捨て去るみたいに 磨かれたしら玉にあこがれるのでしょうか そんなものなどなくても 僕らの毎日は豊かで暖かくて そうしてささいな食事し………
子供しか知らない世界 走書 子供しか 知らない世界 見つめても 気づかれない夢 花のささやき/街角のワルツ お空に僕 見たんだでっかい ねり歩く 僕に手を振る 雲の神さま 雪だるま おそってくるぞ 秘密基地 迎え撃ちます いのち掛けして 遊び疲れ 寝そべる膝に おぼろ月 春めく妹の仕草に困る坊やかな ………
光と影 夢と幻 過去と未来 砂時計して 刻の旅人 いつか僕の 墓標にそっと 祈る君を たったひとりの 友と定めて わたしは生きぬく 刻のはざまを…… あまりにも 沢山の嘲笑を 真に受けて あなたのこころも 信じられずに ただ祈ります 君が友だと…… 神さまが ま………
無気力な落書 お休みあなた まどろみ夢な 呼子鳥 伸ばした手 届かぬ花の 病棟に 終りを告げる うわさ遠くて 朝日して師走が果の暦かな 躍りませう ゆかたが君と夢祭 星に手を差し伸べたがる坊やかな ともし火の尽きて凍える虫の影 ⇒後日訂正 ともし尽きて 虫凍えした琥珀かな 夢は………
酔いどれの落書 夜半の花火 くちびる君は さよならを 告げようとして みなだ満たして 谷渡る 蔦の絡みの 背伸びして はびこるほどの いのちともがな 教えてよ やさしい声した 病棟の ひとみそらせば かなしみの色 しょせんは/つかの間の いのりの酒の ともし火を たよりに描く ポエムなのかな ………
ただひとり 消えゆく花の わびしさに まつりがこゝろ 今はなくして 気づけばまた ひとりぼっちした 宵闇に 誰(たれ)ひと言も 雉の鳴き声 人でなし 結ばれた手の みじめさは おなじ色香に 染まる花園 風の声 もう聞こえない 星の歌 けがれた空に 聞き耳立てゝは おかしいね ひとり言して 答えて………
朗読 あらすじ 二十一 良少将(良岑仲連 あるいは良岑義方)が、監の命婦(げんのみょうぶ)のもとに通っていたころ、女から和歌が送られてきたので。 二十二 良少将が、太刀に使用する皮を求めたら、監の命婦が「わたしのところにあるわ」と言ったきりくれないので。 二十三 陽成院の二の皇子である元平親王が、宇多天皇の娘である依子内親王(いしないしん………
朗読 あらすじ 十一 今は亡き源清蔭が、藤原忠房(ふじわらのただふさ)(?-929)の娘のもとに通っていたのを、醍醐天皇の皇女に心変わりしてからも、娘との間には子供もあり、語らいは絶えず、おなじところに住んでいた。あるとき「住吉の松でもないけれど久しく間が空いてしまいました」と源清蔭が和歌を贈ると、「そんな長い時間でもないのに、住吉の松は(別の人を待つの松に)生え替わってし………
大和物語の朗読その一。
ふるさとの街なみへ 思い返せばふるさとは、ひとかげさえも消え失せて、ただ懐かしい風景に、セピアをかざしていのるでしょう。それなのにわずかな現実に触れたなら、なんだか知れないとがった痛みに、刺されるような夕暮れに、わたしは春をいのるでしょう。くだらないプロフィールはいつしか消され、あの頃は未来へと溶けるでしょう。あなたはいつしかそれを眺めて、わたしの知らないその街を、ただ豊かにほほえんで、け………
不思議なことに 見出しを付けるという行為が、酔いどれの落書きに、このような無意味な散文をも、加えることにもなることは、どれほど人というものの正体が、ある種のパターン化された行為に、規律されているかの正体であると共に、個性の範囲の狭さを、露呈しているようにも思えるのですけれども…… 今さら、そんなことはどうでもよいことです。 時々走らせる落書きさえも、 近頃は………
いにしへの響 spring piano 響きあわせが奏でかな spring piano 響きあわせてかなで唄 わたしはだらけていたのでしょう。 あるいは寝ぼけていたのでしょう。 それともみじめな終末の、 乏しき楽才を悟りして、 いじけていたのが真実か…… ひさしぶりの調理 そんな訳でして、 ある………